進む自分を許す

「最近思い出す事も少なくなってきた。このままでいいのかな…。」

ふと、そう思うことがあります。

 

思い出さなくなったことへの罪悪感。

自分だけが大切な人がいなくなったこの世界を生きていっていいのか、

好きなように進んでいいのかという戸惑いと、

申し訳なさからそう感じることがあります。

 

でも、思い出さなくなったことと、

忘れるということは違います。

 

思い出さなくなったということは、

大切な思い出としてしまえるようになったということです。

 

いつだって、思い出そうとすれば思い出せるのです。

そして、大切な人との思い出は到底忘れることなんてできないのです。

 

常に頭の片隅に大切な思い出を置いておかなくても、

それは忘れたことにはならないのです。

 

そして、思い出さない時間を持つことを

きっと故人も大切に感じてくれていると私は本当に勝手ながら感じるのです。

 

それは忘れ去られたわけではないと知っているからです。

思い出さない時間にあなたに自分を取り戻してほしいと願っていると、

私はこれも本当に勝手ながら思っているからです。

 

思い出さないご自分を責めるより、

大切な思い出に少しずつ出来たこと。

そして、その為に丁寧に時間をかけて、

自分と向き合ってきたご自分をどうか労わって欲しいと、

自分を責めるしかなかった自分を、

どうかいつか許してあげて欲しいと、

そう私は思うのです。

 

  著者プロフィール

野川 仁
野川 仁

元引きこもりの心理カウンセラー。

現在は、都内のクリニックでカウンセリングをする傍ら、講師として、毎週(土)横浜で講義を行っている。